街とは
都市の普遍的原理
「都市にはきわめて複雑に絡み合った粒度の近い多様な用途が必要で、しかもその用途が、社会的にも経済的にもお互い絶え間なく支え合っていることが必要。」
→現代的な言い方に直すと、ダイバーシティ(多様性)
街の構成要素:街路・建物・広場
お互いがよく知らない人間同士の緩やかな関係性こそが都市の本質
「用途の混在」「小さな街区」
ストリート性が都市の魅力の源泉
ジェイン・ジェイコブス 『都市の経済学』
街の主役は人。私たちが街をつくり、街が私たちをつくる。
「街は、人びとが歩き、立ち止まり、座り、眺め、聞き、話すのに適した条件を備えていなければならない。これらの基本的活動は、人間の感覚器官や運動器官と密接に結びついている」
ヤン・ゲール 『人間の街 公共空間のデザイン』
いい街の要件とは?
豊かな街の4つの要素(ジェイン・ジェイコブスの4原則)
①混合一次用途の必要性
②小さな街区
③古い建物の必要性
④密集の必要性
活気あるパブリックライフを生み出すために必要な7つの要素
①歩行者空間がエリアとして用意されていること
②座れる場所が用意されていること
③エリアの中にハイライトがあること
④建物のエッジなど安全を感じられる場所から人々の活動を見ていられること
⑤エッジが無機質ではなく柔らかいこと、エッジの統一感
⑥朝から夜まで多様な人々に受け入れられる用途の混合
⑦飲食物を販売する店があること
出典:カフェ文化(飯田美樹)
全米一住みたい街ポートランドに学ぶ、まちづくりとは?
ポートランドのまちづくりの方針
Economy (便利・賑わい) × Ecology(健康的・居心地)
=エコ・ディストリクト(賑やかで、健康的で、持続可能な地区)
街は劇場 人のためのまちづくり
→自分たちの街は、自分たちでつくる。
ライフスタイルや行動パターンを自分で決められることが若者に受けている
ありのままの自分で良い。自分が楽しいと思うことをやりたい。
その風土が、他の地域とは違う個性となっている。
ミクストユース地区 ↓ 昼夜間人口の平準化 ↓ 路面店は終日客が見込める ↓ 周辺エリアが活性化
屋外空間の「楽しさ」 「居心地の良さ」「繋がり」が 賑わいづくりのエンジンに ↓ プレイスメイキング(屋外空間の高質化)で集客、街の価値向上へ
人々が求めるポートランドの良いところ
- フレンドリーな人たちが多い(人々の交わりの舞台)
- 広大な自然環境に囲まれた生活環境
- 住環境に気を払われたコンパクトなエコシティ
- オーガニック食材を手に入れやすい(地産地消・健康志向)
- 地元のローカル文化を尊重する
→これらの5つの要素が有機的に混ざり合うことで快適な生活環境に
街に生きるとは
官能的(センシュアス)な都市 (身体で体験する都市)
センシュアスシティには多様性がある。外国人が多く住んでいる・夫婦共働きがしやすい・年齢・職業・収入など 多様な人が住んでいる。夜間に歩けるなどの数値が高い。
①「不特定多数の他者との関係性の中にいる」
②「身体で経験し、五感を通して都市を知覚する」
【関係性の4つの指標】
・共同体に帰属している
・匿名性がある
・ロマンスがある
・機会がある
【身体性の4つの指標】
・食文化が豊か
・街を感じる
・自然を感じる
・歩ける
出典:「Sensuous City 【官能都市】−身体で経験する都市– センシュアス・シティ・ランキング」(2015年,LIFULL HOME’S 総研)
センシュアス度ランキング1位は、「東京都文京区」2位「大阪市北区」 3位「東京都武蔵野市」東京23区と大阪が上位を占めている。
東京都、大阪市、横浜市以外に着目すると、8位に「金沢市」,12位「静岡市」,14 位「盛岡市」,17 位「福岡市」,18 位「仙台市」,19 位「那覇市」,23 位「山形市」,24 位「京都市」, 32 位「松江市」,34 位に「松山市」の順となっている。
これらの良い街の要件や指標を参考に、これから旅する街をレポートしていきたい。